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【名作】女性監督による優れた映画10選

映画界には、女性ならではの感性と視点を生かした作品を作る女性監督が数多く存在します。今回は、BBCが発表した「女性監督による優れた映画100」の中から、私がおすすめする10本をご紹介します。どれも見応えのある作品ばかりなので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ピアノ・レッスンジェーン・カンピオン 1993年)

ニュージーランド出身のジェーン・カンピオンは、1993年に発表した『ピアノ・レッスン』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールアカデミー賞脚本賞を受賞しました。女性監督としては初めての快挙でした。この作品は、19世紀のニュージーランドに嫁いだピアノ教師のアダ(ホリー・ハンター)が、夫に無理やり売られたピアノを取り戻すために、原住民と結ばれた男性(ハーヴェイ・カイテル)と奇妙な関係になっていく様を描いています。アダは声が出せないため、ピアノが唯一の表現手段です。しかし、彼女は次第に自分の感情や欲望に気づき始めます。美しい自然と音楽が織りなす映像と、抑圧された女性の心理描写が見どころです。

5時から7時までのクレオアニエス・ヴァルダ 1962年)

フランスの女性監督であるアニエス・ヴァルダは、2019年に90歳で亡くなりましたが、その生涯を通じて多くの名作を残しました。その中でも代表作とされるのが、1962年に発表した『5時から7時までのクレオ』です。この作品は、白血病で余命宣告された歌手のクレオ(コリンヌ・マルシャン)が、医師から検査結果を聞くまでの2時間を追ったドキュメンタリー風の映画です。クレオは自分の美しさや成功に執着していますが、死と向き合うことで自分自身や周囲の人々に対する見方が変わっていきます。フランスの新しい波と呼ばれる映画運動の一環として作られたこの作品は、当時のパリの風景や社会情勢をリアルに捉えています。

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン(シャンタル・アケルマン 1975年)

ベルギー出身でフランスで活動したシャンタル・アケルマンは、1975年に発表した『ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン』で一躍有名になりました。この作品は、息子と二人暮らしの主婦ジャンヌ(デロフィーヌ・セイリグ)が、日常的な家事と売春を繰り返す3日間を、ほぼリアルタイムで描いています。3時間半に及ぶ長尺で、ほとんどカットがなく、会話も少ないという実験的な作品です。しかし、その中でジャンヌの心の変化や社会の矛盾が微妙に表現されています。女性のアイデンティティや性の問題を掘り下げたこの作品は、フェミニスト映画の傑作として評価されています。

美しき仕事(クレール・ドゥニ 1999年)

フランスの女性監督であるクレール・ドゥニは、1980年代から現在まで多くの作品を手がけています。その中でも特に高い評価を受けているのが、1999年に発表した『美しき仕事』です。この作品は、フランス軍外人部隊に所属する若い兵士ガロード(グレゴリー・コリン)が、上官の妻(ベアトリス・ダル)と恋に落ちることで起こる悲劇を描いています。軍隊の厳しい規律と自由な愛欲の対立が、美しい映像と音楽で表現されています。ドゥニ監督は、この作品でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞しました。

ロスト・イン・トランスレーションソフィア・コッポラ 2003年)

アメリカの女性監督であるソフィア・コッポラは、有名な映画監督フランシス・フォード・コッポラの娘として生まれました。しかし、彼女は自分自身の才能で映画界に名を残しました。その代表作が、2003年に発表した『ロスト・イン・トランスレーション』です。この作品は、東京に滞在する中年の俳優ボブ(ビル・マーレイ)と若い妻シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)が、言葉や文化の違いに戸惑いながらも心を通わせていく様を描いています。東京の街並みやホテルの部屋が織りなす不思議な雰囲気と、ふたりの微妙な関係が見どころです。コッポラ監督は、この作品でアカデミー賞脚本賞を受賞しました。

ハート・ロッカー(キャサリン・ビグロー 2008年)

アメリカの女性監督であるキャサリン・ビグローは、1980年代から様々なジャンルの映画を手がけてきました。その中でも最も有名な作品が、2008年に発表した『ハート・ロッカー』です。この作品は、イラク戦争中に爆弾処理班として活動する米兵たちの姿を描いています。特に主人公ジェームズ(ジェレミー・レナー)は、命懸けの任務に熱中するあまり、仲間や家族との関係に無関心になっていきます。戦争の恐ろさと緊張感がリアルに伝わってきます。ビグロー監督は、この作品でアカデミー賞の作品賞と監督賞を受賞しました。女性監督としては初めての快挙でした。

ゼロ・ダーク・サーティ(キャサリン・ビグロー 2012年)

キャサリン・ビグローは、『ハート・ロッカー』に続いて、2012年に発表した『ゼロ・ダーク・サーティ』でも戦争やテロのテーマに挑みました。この作品は、アメリカの諜報員マヤ(ジェシカ・チャステイン)が、10年にわたって追跡したテロリストの首謀者ビン・ラディンの殺害作戦を描いています。実際に起きた出来事をもとにしたこの作品は、情報収集や尋問、襲撃などの過程を詳細に再現しています。マヤの執念と孤独が印象的です。ビグロー監督は、この作品でアカデミー賞の作品賞と監督賞にノミネートされました。

レディ・バードグレタ・ガーウィグ 2017年)

アメリカの女性監督であるグレタ・ガーウィグは、2017年に発表した『レディ・バード』で注目を集めました。この作品は、2002年のカリフォルニア州サクラメントを舞台に、高校生のクリスティン(シアーシャ・ローナン)が自分を「レディ・バード」と名乗り、母親(ローリー・メトカーフ)との確執や恋愛などを通して成長していく様を描いています。コメディとドラマの要素が混ざったこの作品は、ガーウィグ監督自身の体験が反映されています。レディ・バードの個性的で感情豊かなキャラクターが魅力的です。ガーウィグ監督は、この作品でアカデミー賞の監督賞と脚本賞にノミネートされました。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(セレーナ・ゴメス 2021年)

アメリカの女性監督であるセレーナ・ゴメスは、2021年に発表した『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で話題を呼びました。この作品は、1993年に公開された同名のアニメーション映画のリメイク版です。ハロウィンタウンの王ジャック(ジョニー・デップ)が、クリスマスタウンを見て感動し、自分たちでもクリスマスを祝おうとするが、大混乱になってしまうというストーリーです。ゴメス監督は、オリジナルの魅力を損なわずに、新しい技術や演出で映像を生き生きとさせました。また、ジャックとサリー(エマ・ストーン)の恋愛もより深く描かれています。この作品は、興行収入や批評家の評価で大成功を収めました。

ノマドランド(クロエ・ジャオ 2020年)

中国出身でアメリカで活動する女性監督であるクロエ・ジャオは、2020年に発表した『ノマドランド』で世界的な評価を得ました。この作品は、2008年の金融危機で仕事と家を失った女性フェルン(フランシス・マクドーマンド)が、キャンピングカーでアメリカ各地を旅しながら生きる姿を描いています。フェルンは、同じようにノマドと呼ばれる人々と出会い、友情や愛を育みます。しかし、彼女は定住することを拒み、自由な旅を続けます。この作品は、実在のノマドたちが本人役で出演しており、彼らの生き方や思いがリアルに伝わってきます。ジャオ監督は、この作品でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞とアカデミー賞の作品賞と監督賞を受賞しました。

プロメテウス(リドリー・スコット 2012年)

イギリスの女性監督であるリドリー・スコットは、1979年に発表した『エイリアン』でSF映画の名匠として名声を得ました。その後も『ブレードランナー』や『グラディエーター』などの傑作を手がけてきました。その中でも特に注目された作品が、2012年に発表した『プロメテウス』です。この作品は、『エイリアン』の前日譚として作られたSFホラー映画です。人類の起源を探るために宇宙に旅立った科学者たちが、惑星LV-223で恐ろしい発見をするというストーリーです。スコット監督は、最新のCG技術や3D映像で壮大な宇宙の世界を描き出しました。また、人類の創造者として登場するエンジニアや、人間と対立するアンドロイドのデイヴィッド(マイケル・ファスベンダー)などのキャラクターも印象的です。この作品は、興行収入や批評家の評価で大成功を収めました。

最後に

以上が、私がおすすめする女性監督による優れた映画10選です。どれも見応えのある作品ばかりなので、ぜひ観てみてくださいね。もしもっと女性監督による映画に興味がある方は、こちらの本もおすすめです。[女性監督100人]という本は、世界中の女性監督たちのプロフィールや作品紹介をまとめた一冊です。女性監督の多様な視点や表現方法に触れることができますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。

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